国家資格・公認心理師が経営診断する!!
個人が自分の本当の気持ちを偽ってしまうのは、人間の持つ自己防衛メカニズムの一端です。同様に、企業や組織もその内部に、現実の厳しさや不安と向き合うことを避けるための無意識的な行動パターンが存在します。具体的には、以下のような事例が挙げられます。
- 会計面での隠蔽行動: 企業が直面する経済的な打撃を隠すために、粉飾決算と呼ばれる手法を用いるケースがあります。これにより、一時的には好調な業績を装い、市場や投資家の安心感を得ようとするのですが、根本的には経営者自身が現実の厳しさを直視したくないという心理的な抵抗が背景にあります。
- 事業計画での楽観的予測: 実際の状況よりも過度に明るい将来予測や甘い見通しを採用することで、現状の課題やリスクを隠蔽し、ポジティブなイメージを保とうとする傾向があります。これもまた、組織の無意識に働く「現実逃避」の一形態です。
これらの行為は、意図的な詐欺行為というよりは、深層心理に根ざした無意識のうちに行われる「誤魔化し」であり、本来、経営者や組織のメンバーが抱える恐怖や不安、失敗への恐れから生まれるものです。表面的には数字が良好であっても、こうした隠蔽行動が長期的な経営リスクを内包していることは否めません。数字の裏に潜む真実に気づかずにいると、予期せぬ経営危機が顕在化したときに、致命的なダメージを被る可能性が高まります。
このような状況を打破し、企業が真に健全な成長を遂げるためには、まずリーダー自身が内面に目を向け、自己防衛に走る無意識のパターンを認識することが不可欠です。心理学や精神医学の知見を活かし、カウンセリングやコーチングといったアプローチを通じて、根本的な自己変革を促すことが、組織全体の健全な活動に結びつくのです。
このシリーズでは、リーダーおよび組織の無意識のパターンに着目し、表面的な成功の陰に隠れた真実を明らかにすることで、経営の本質的な改善と持続可能な成長への道を探ります。