偽りの自己認識 ― 過信するリーダーが招く組織の混乱

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企業内には、自分自身のことを完全に把握していると過信し、まぁ表面的な知識だけで自己分析を済ませ、その上であたかも深い洞察に基づいて部下に指示を出しているリーダーが存在します。

こうしたリーダーは、中途半端な知識や経験をもとに、あたかも自分は全てを理解しているかのように振る舞い、明らかに上から目線の態度を示します。実際のところ、その態度は、自分の「すごさを認めてほしい」という無意識の欲求の現れであり、周囲との健全なコミュニケーションが希薄になっていくのです。

このような傾向が企業文化に根付くと、以下のような問題が発生します。

  • 組織内の軋轢と分断: リーダーが自分の理解や分析を絶対視するあまり、意見交換が一方通行になり、従業員は自分の考えを発信しにくくなります。結果として、部下たちは真に求められる「建設的な議論」よりも、ただ従うか反発するかのどちらかを選ばざるを得ず、チームの結束力が低下します。
  • 自己満足と停滞: 自らの知識や経験に依存することで、リーダーは新たな学びや成長の機会を逃しがちです。そのため、現状に満足してしまい、変革やイノベーションが生まれにくくなります。実際の経営課題を捉えず、形だけの理論に固執することで、会社全体の発展が停滞してしまうのです。
  • 信頼関係の失墜: 部下は、上から目線の指導や的外れなアドバイスに対して、次第に信頼を失っていきます。リーダーに対する過剰な自己肯定感は、組織全体の士気を下げ、結果的に経営の根幹に悪影響を及ぼします。どんなに実績があっても、その「頭の良さ」が建設的な対話や協働に活かされなければ、従業員は自身の能力を発揮することが難しくなります。

このように、単なる自己満足や過剰な自信は、組織全体のパフォーマンス低下を招くだけでなく、否応なく不健全な企業文化を作り出してしまいます。もし、その「頭の良さ」や知識が真に役立つとすれば、もっと広い視野で建設的な議論を促し、他者の意見に耳を傾ける姿勢を持つべきです。企業経営においては、リーダー自らが内面の無意識に働きかけ、真の自己変革と共に、チーム全体で成長していくことが求められます。

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